医療保険
医療保険
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医療保険を選ぶ際は、保険期間や保険料払込期間、何日目から入院給付金が給付されるかなど、保険のタイプをよく検討して選ぶことが重要です。ポイントとして整理すると、次のようになります。
医療保険を選ぶポイント
ポイント1:保険期間と保険料払込期間を決める。
保障が続く期間を保険期間といいます。保険期間には、
・10年、20年などの年数で決まる「年満了(更新)タイプ」・70歳、80歳までなど年齢で決まる「歳満了タイプ」・一生涯保障が続く「終身タイプ」があります。
◆更新タイプの保険料は更新時に再計算されます。年齢が上がることなどによって、通常、更新ごとに保険料が高くなりますが、契約当初の保険料負担は抑えられます。歳満了タイプ、終身タイプの保険料は一定です。
※保険料の払い込みがいつまで続くのか、払込期間もポイントです。終身タイプの場合、保険料払込期間は「有期払」、「終身払」があります。「有期払」は何歳まで払い込むかを決めます。「終身払」は、保険料の払い込みが一生涯続きますが、月々の負担は「有期払」に比べて軽くなります。
ポイント2:入院何日目から支払われるかを選ぶ。
医療保険による給付のひとつに「入院給付金」があります。
入院給付金が受け取れる対象として、「日帰り入院」、「1泊2日入院」、
「5日以上の入院」(4日間は対象外)などのタイプがあります。ポイント3:1入院あたりの支払限度日数と保険期間を通じての通算限度日数を決める。
入院給付金には、1入院での限度日数や複数回入院での通算限度日数があり、その範囲内で入院給付金を 受け取れます。
・1入院の限度日数は、
30日、60日、120日、180日、360日、730日、1,000日、1,095日などがあります。・通算限度日数は、
700日、730日、1000日、1095日などがあります。ポイント4:さらに以下の内容についても検討する。
・特定の場合の保障を厚くするかどうか?
成人病(生活習慣病)入院特約、女性疾病入院特約、がん入院特約、先進医療特約などの特約を付加することができる場合があります。
※主契約の給付内容に組み込まれている場合や、特約があらかじめセットされている場合もあります。・「手術の給付タイプ」を決める。
手術給付の対象となる手術は、主に3つのタイプに分類されます。・解約返戻金の有無(無しの場合、保険料が安くなります)を決める。
・ 死亡保険金の有無(無しの場合、保険料が安くなります)を決める。
「成人病入院特約(生活習慣病入院特約)」、「がん入院特約」とも取り扱っている生命保険会社によって保障内容は若干異なる場合がありますが、主な保障内容は次のとおりです。
成人病入院特約 (生活習慣病入院特約)
「がん」、「心疾患」、「脳血管疾患」、「高血圧」、「糖尿病」など所定の成人病で入院したとき、入院給付金を受け取れます。
一般的には疾病入院特約や総合医療特約などと一緒に付加します(手術給付金が受け取れるものもあります)。
がん入院特約
「がん」で入院したとき、入院給付金を受け取れます。一般的には疾病入院特約や総合医療特約などと一緒に付加します(手術給付金が受け取れるものもあります)。
※「がん特約」として、入院給付金のほか、手術給付金、がん診断給付金などが受け取れる特約を取り扱っている生命保険会社もあります。
疾病入院給付金や成人病入院給付金には、1入院や通算入院など支払日数に限度がありますが、がん入院給付金は無制限のものがほとんどです(限度日数があるタイプもあります)。 ※疾病入院給付金や成人病入院給付金でも支払事由が「がん」の場合、一部の商品では支払日数が無制限となるものがあります。
単体のがん保険には「90日等の待期間」がありますが、がん保険と同様にがん入院特約でも「90日等の待期間」を設けている生命保険会社があります。 ※待期間とは、契約してから保障が始まるまでの保障されない期間です。
告知項目が3~5項程度に限定された保険です
「限定告知型保険」「引受基準緩和型保険」「選択緩和型保険」などと呼ばれており、従来の告知・診査を必要とする医療保険に契約できなかった人も、所定の告知項目に該当しなければ一般的に契約できる医療保険(特約)です。
主な告知項目は下記のとおりで、1つも該当が無ければ原則として契約できます(生命保険会社により、告知項目が異なります)。
<健康状態に関する告知項目の例>
- 過去2年以内に入院・手術をしたことがある
- 過去5年以内にがんで入院・手術をしたことがある
- 今後3ヵ月以内に入院・手術の予定がある
- 現時点でがん・肝硬変と医師に診断または疑いがあると指摘されている
- 現在までに公的介護保険の要介護認定を受けたことがある
- ・保障は契約後開始し、契約前に発病していたものでも支払いの対象となります。
ただし、契約前に医師から勧められている入院・手術は支払い対象外です。 - ・通常の医療保険を契約できるかなどを確認したうえで、比較検討することが大切です。
・契約を引き受けるかどうかの基準を緩和していることなどにより、保険料は通常の医療保険より高めに設定されています。
A.入院時の支払い限度日数や、給付額、保障の範囲などさまざま
医療保障商品については、「日帰り(0泊1日)」や「1泊2日」など短期の入院で給付金が受け取れるものが多くなっていますが、5日未満の入院でも一律5日分の入院給付金を受け取れるものなど、生命保険会社からさまざまな商品が販売されています。
また、給付内容も多様化していますので、以下に例として特徴を記してみます。
- ・特定の病気で入院した場合、1入院60日・120日などの支払限度日数が延びたり、なくなるタイプ
- ・入院当初や長期入院時の入院給付金が手厚いタイプ
- ・保険事故(入院、手術などの給付事由)がなかった場合、給付金が受け取れたり、保険料が割り引かれるタイプ
- ・通常の医療保険よりも保障の範囲を限定したタイプ
- ・特定の病気の再発などにより給付金が受け取れるタイプ
- ・入院中の保険診療の自己負担や差額ベッド代に備えるタイプ
- ・特定の病気や身体障害、要介護状態などにより所定の状態になったとき、以後の保険料が免除となる特約
- ・所定の移植手術や乳房再建術などを受けた場合、給付金が受け取れるタイプ
入院支払限度日数と通算支払限度日数の範囲で受け取れます
医療保険、医療関係特約ともに、同じ病気を原因として再度入院した場合は、一般的に前回の入院とあわせて「継続した1回の入院」として扱われます。ただし、前回入院の退院日の翌日から一般的に180日を経過して再度入院した場合は、別入院(新たな入院)として扱われます。
また、前回の退院日の翌日から180日以内に「異なる病気*」を原因として入院した場合は、 「継続した1回の入院」として扱われる商品と、 「別入院」として扱われる商品があります。つまり のタイプは、病気の原因を問わず180日以内の再入院は「継続した1回の入院」となります。
*病名が異なっていても、医学上関連があれば同じ病気とみなされる場合があります。
A9. 生命保険会社では、連絡がない限り被保険者が入院・手術を受けた事実を把握できません。このため、被保険者が入院・手術した場合は、加入している生命保険会社の担当者、営業所・支社、サービスセンター・コールセンターなどに、できるだけ早く連絡することが必要です。
入院・手術給付金は受取人本人の請求によって支払われます。一般的に、入院・手術給付金の受取人は被保険者となっています。
なお、「指定代理請求人」などの代理人が指定されている場合は、代理人が請求できることもあります。
入院給付金を請求する際の一般的な手順
(1)生命保険会社へ連絡する
- 証券番号
- 被保険者(保険の対象者)の氏名
- 入院日
などを知らせることで、生命保険会社の手続きがスムーズに運びます。加入している医療保険・特約によっては、支払い対象外となる場合があるため、連絡時には正式な「病名・入院日・退院(予定日)・手術日・手術名」などについても、可能な限りに伝えることが大切です。
(2)生命保険会社へ必要書類を提出する
連絡を受けると、生命保険会社から請求に必要な書類「請求書・生命保険会社所定の診断書など(会社によって異なる)」の案内が届きますので、それに従って必要書類を整え、生命保険会社へ提出します。
診断書は原則として生命保険会社所定のものを使用します。入院日数や支払われる入院給付金の合計額などに応じて診断書の添付を不要とする生命保険会社もあります。
(3)生命保険会社による支払いの可否判断、給付金受取
生命保険会社では書類をチェックし、支払対象かどうかを判断します。支払の対象と判断された場合、給付金を受け取れます。
なお、生命保険会社は約款に「原則的な場合」「確認が必要な場合」等に分けて保険金・給付金の支払期限を定めています。支払期限経過後に支払われる場合はあわせて遅延利息を支払います。
※給付金の請求権の時効は、約款で一般的に3年と定められています。
<受け取りの内容・金額の明細確認>
給付金などは受取人指定の金融機関口座に振り込まれます。生命保険会社から給付金など受け取りの内容・金額の明細書が送付されますので、内容を確認しましょう。
A10. 医療保険や、手術保障のある特約を付加した生命保険を契約していると、どんな手術をしても手術給付金を受け取れると考える人がいるかもしれません。しかし、それは違います。
例えば、保険による保障が始まる前(責任開始期前)に発生していた病気やケガを原因として責任開始後に行った手術は、原則として給付の対象外です。
また、次のような場合も給付の対象外となり、手術給付金を受け取れません。
治療を目的としていない手術を受けた場合
例えば、美容整形、病気が直接の原因でない不妊手術は、治療を直接の目的としていないため、一般的には手術給付金を受け取れる手術には当てはまりません。診断や検査(生検や腹腔鏡検査など)のための手術も同様です。
約款に記載されていない手術を受けた場合
手術給付金を受け取れるのは、治療を直接の目的として、約款に記載されている手術をした場合です。
給付の対象になる手術は、契約している生命保険会社や商品、契約した時期によって異なることがあります。
例えば、約款のなかで「別表」として88種類の手術が列記されているものがあります。手術の種類に応じた金額(入院給付金日額に対する倍率)も併せて列記され ています。
※公的医療保険対象の手術に給付を広げているタイプもあります。
一般的に創傷処理や抜歯手術などの軽微な手術を除外していますが、除外の対象となる手術は生命保険会社により異なります。